廃棄すべき食品を転売して儲けるなど言語道断ですし、故意に流通させた業者は罰せられてしかるべきです。
でもちょっと見方を変えると、新たな疑問が沸いてきます。壱番屋くらいの大手チェーン店なら、4万枚ものカツを廃棄するって普通のことなんでしょうか?
そもそも、なぜこんな大量に廃棄することになったんでしょう?
壱番屋のビーフカツ4万枚という廃棄量の原因
壱番屋が1月13日【産業廃棄物処理業者による、当社製品(ビーフカツ)不正転売のお知らせ】として発表した報告にはこうあります。
当社の廃棄理由:愛知工場での製造時における異物混入の可能性があるため
混入している可能性がある異物:工場で使用しているナイロンを主成分とする合成樹脂性の器具(部品)であり、製品名はポリアミド樹脂。大きさは最大で8mm。混入した可能性がある異物の形は不明で、粉砕している可能性があります。
参考http://www.ichibanya.co.jp/comp/ir/news/
現在、事件に対する注目が「ダイコー」や「みのりフーズ」に移ってしまっていますが、そもそもの廃棄の理由は【異物混入】だったんですよね。
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量的にはわずかな異物混入でしたが、製品ロットの限定が出来なかったため、可能性のある全製品を廃棄することに至ったと説明されています。”念のため”ではなく、これは当然の措置ですし、壱番屋の適正な判断のもと処理されたと思います。4万枚という廃棄量も仕方がないこと感じます。
食品ロスと日本の完食率
政府の発表によると、日本では年間500万トン~800万トンもの食品が廃棄されています。これは『まだ食べられる状態なのに捨てられる食品』だけの数です。
いわゆる「食品ロス」、大きな問題ですよね。
日本人1人当たりに換算すると、毎日捨てられる食品は”おにぎり約1~2個分”にあたるそうです。これは日本の米の年間収穫量(平成24年約850万トン)と同じ位の量で、日本が発展途上国などに食糧支援する量(平成23年で年間約390万トン)をはるかに上回ります。
残さず食べることや、食べる量だけ作ることは、これからもっと重要視しなければいけない問題だと思います。
ビュッフェやバイキングなどでは、食べ物を残すと罰金を徴収するお店もあります。罰金とは言わないまでも、飲食店で注意書きを目にする機会もあります。
そういえば、『完食したら賞金1万円、食べきれなかったら罰金1万円』みたいな大食いチャレンジのお店もありますよね。エンタテイメントとして面白がられたこともありましたが、すでにそんな時代ではない気がします。
サンジ(ワンピース)の名言を改めて考える
ワンピースの人気キャラ・船上コックのサンジの名言を思い出しました。
「そのスープから虫を取り除けば飲めたんじゃねえのか?」
海軍本部のフルボディ三等兵が、サンジが働く海上レストランに来たシーンでの一言です。
フルボディが店を陥れるため、わざとスープに虫を混入させたことを見ぬいての一言ですが、ちょっと考えさせられるセリフです。
ペヤングの時もそうでしたが、日本人は必要以上に過敏に反応しすぎる傾向があると思います。もちろんそれらの食品でも完食すべきだという考えではありませんが、大切にするとこや無駄にしないことは、もっと考えるべきだと思います。
今回のまとめ!
・壱番屋のカツ廃棄理由はポリアミド樹脂の混入の疑いだった
・日本の食品ロスは飢餓国への食品支援よりも多い
・サンジの名言から食品の大切さを再確認した
国や企業のせいにするのではなく、他人任せにするのではなく。僕たち自身がしっかり考えないといけない問題だと思います。
食べては残し、捨てては作りの繰り返しも、消費者一人ひとりの意識の持ち方によって変えて行けるはずです。
コメント
旅館やホテルでは作られる料理の15%が廃棄されるそうだ。バイキング方式を上手にやれば減らせるのでは。美味しい料理や安全な食材購入に情熱を持った料理人のいる宿や食堂は食べ残しが少ないだろうから廃棄も少ないとおもう。