“廃棄カツ”が販売されていたことが発端で、たくさんの食品の横流しの事実が発覚した一連の事件。
被害者であるはずのメーカーが、名前が上がることによって誤解され、いわれのない口撃を受けていることもあるそうです。
たびたび登場する、産業廃棄物管理票(マニフェスト)というもの。この書類が偽造されていたということですが、そもそもどんな書類なのか。
今回の事件の渦中にいるダイコーはどんな罪に問われるんでしょう?
産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)とは?
まず、産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)を確認しておこうと思います。マニフェストという言葉自体はよく耳にしますよね?政党や候補者が、選挙の時に掲げる目標や達成する期限などを記した公約文書のことです。
産業廃棄物についても、このマニフェスト制度が導入されています。事業者が、産業廃棄物の処理を廃棄業者に委託する際、この産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)を交付し、管理することが法律で義務付けられています。
具体的には、産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などを複数の項目を正確に記載し、仲介する全ての業者が、そのマニフェスト伝票と一緒に廃棄物を受け渡していきます。
運搬業者や処理業者が複数介在したとしても、各業者から処理終了が記載されたマニュアルを受け取ることによって、委託事業者が全てを把握することができ、不法投棄や不正処理が出来ないようにさせる仕組みです。
今回の事件は、壱番屋やコープ(日本生活協同組合連合会)などが、産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)をダイコーに偽造されたことによって、処理内容が正しく把握できなかったということですね。
各業者と委託契約を締結した上で、この産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)を運用しますので、その両方に違反したことになります。
壱番屋がとる不正回避策は?
壱番屋は、今回の事件を重く受け止め、今後は横流し防止の措置をとることを発表しました。
粉砕するだけではなく、堆肥原料や汚泥を混ぜることで完全に“食品”じゃない状態にし、必要に応じて社員が処理に立ち会うといいます。
委託する側に把握する責任があるとはいえ、ここまでやらないといけないことでしょうか。産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)や、受託企業のコンプライアンスの存在意義がわからなくなります。
このことを考察するツイートも多く見られます。
行政処分や刑事罰は?
愛知県は、ダイコーによる産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)の偽装について、廃棄物処理法に基づく許可の取り消し、営業停止などの行政処分を行う方針でいるといいます。
何年も前から、複数の委託業者の廃棄物を常習的に転売していたのですから、ダイコーの許可取り消しは免れないと思います。ネットでは、許可取り消しだけでは軽すぎるという声も出ています。そして、仲介業者の処分や、代表者や社員の刑事罰はいったいどうなるんでしょう?
しかも、2011年から半年ごとのペースで、周辺住民から悪臭の苦情があったことも伝えられています。
今回のまとめ!
・産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)で委託業者も流れが理解できる
・委託する産業廃棄物はマニフェスト伝票での管理が法律で義務付けられている
・仲介業者の処分や、刑事罰がどうなるかも気になる
新しい情報が明らかになるたび、想像以上に根が深い問題だということを思い知らされます。